1 国・北海道の財政状況(概況)
「経済財政改革の基本方針2008」(「骨太方針2008」)では、「日本経済は、(略)世界経済の変化に即応して成長する仕組みはいまだ出来上がっていない。また、都市と地方の格差拡大や非正規雇用の増大などの問題も生じている。さらに、原油価格や食料価格の高騰により、国民の生活への不安が広がっている」としています。このような不安定な社会・経済状況の中で、国の平成21年度予算においても、2011年度(平成23年度)における国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指した歳出削減が続けられる方向であります。
本年8月に出された平成21年度地方財政収支の仮試算では、地方交付税(出口ベース)の伸び率が前年度比3.9%(0・6兆円)減となるなど、地方に対する歳出削減が続けられ、依然として厳しい財政構造となっています。
また、北海道においても「新たな行財政改革の取組み(改訂版)」を本年2月に発表し、危機的な財政状況が続くなかで、財政建て直しに向けた経費節減、市町村への補助事業の見直しや廃止などが予想されることから、本町財政への影響も多大であります。
2 芽室町の財政状況と今後の見通し
本町の財政状況は平成19年度の決算状況では、経常収支比率の上昇に見られるとおり、経常一般財源の減少や義務的経費の増加により硬直化が進んでいます。
また、今日の金融不安など景気の先行には不透明さもあり、町税や地方交付税などの一般財源の増加が見込めないことや、地方公共団体の財政の健全化に関する法律にある自治体としての財政状況を示す4指標も鑑み、公債費に準ずる債務負担行為の額や公営企業債の償還財源に充当が認められる繰入金などの削減や特別・事業会計の健全化を進め繰出金の減少を図るなど、より一層の事業厳選と行財政改革が求められます。
第4期芽室町総合計画「平成21年度実行計画」においては、総合計画推進に向けての政策議論に基づきランク付けを行い、事業実施の方向性について整理したところですが、理事者ヒアリング終了後の昨年度同事業比較の歳出必要一般財源ベースで約6億6千万円の増加となっております。また、中央保育所建設事業の事業者支援額の財源措置も必要なことから、多額の財源不足が見込まれ、各種基金の取り崩しを行ったとしても予算編成が非常に厳しい状況にあります。
今後も、少子高齢化の一層の進展に伴う、保健・医療・福祉関連予算などの増大、債務負担行為により履行しなければならない経費の増加、公共施設の耐震化や老朽化への対応など大規模改修等の計画的な実施も大きな課題となっています。
したがって、今後の財政運営の見通しについても、ここ数年で予算編成が困難となることも十分考えられる事態であることを認識していただきたいと思います。
3 平成21年度予算編成の基本的考え方
平成21年度予算編成については、次の5点を認識し、職員間で議論を十分行い、課ごとに創意工夫した予算要求としてください。
(1)第4期芽室町総合計画の実現を目指した予算編成
平成21年度予算編成は、「第4期芽室町総合計画」をまちづくりの指針とし、その実現を目指した編成とします。
さらに総合計画における課題とその解決策を実行する観点、長期的な視点で計画的なまちづくりを行う観点、行政の継続性の観点を持った編成とします。
具体的には、「芽室町の将来像」−「基本目標」−「政策」−「施策」−「事務事業」という政策体系を意識しながら、実施計画を基に、施策の主な内容、施策の成果指標の実現はもとより、主要な事業の方向性やスケジュールなども十分勘案し、計画的に推進する編成とします。
(2)評価、計画と連動する予算編成
昨年3月に施行した芽室町自治基本条例第15条第2項では「町長等は、中長期的な財政計画を作成するとともに、総合計画及び行政評価に基づいた予算を編成します。」と規定しています。
事務事業評価は、事業の振り返りや成果の検証、今後の施策方向を定める重要なツール(道具)であります。そのため、「評価」だけで終わることなく、具体的な「新年度予算」及び今後のまちづくりの「計画」に連動させなければ意味がありません。
職員各位は、各事業のマネジメントシートの内容を再度確認し、目的の妥当性・有効性・効率性・公平性の視点から今後のあり方を検証するとともに、町民への説明責任を発揮し、関連課、関係団体(者)、受益者などとの意見交換を行い、情報の共有化を図ったうえで予算編成に結びつけるようお願いいたします。
また、各種個別計画との整合を図り、かつ、「平成21年度実行計画」のヒアリングの指示事項を整理した上での編成とします。
実行計画において実施すべき事業とされたものについては確実に推進することとしますが、手法の検討・事業費の配分・精査については、課内等で知恵を出し合い、当事者責任をもった編成としてください。
(3)限られた財源と実施すべき事業のバランスを考えた予算編成
本町の財源確保は厳しさを増しており、物件費・扶助費・補助費の伸びなどから経常経費はさらに増加傾向にあります。
そのため、真に必要な施策・事務事業を選択・重点化し、既存事業の事業費を縮減しなければ新たな事業への着手は難しい状況となっています。
職員各位にあっては、目的を果たしたと思われる事業の終止や、他の実施主体の検討、事業終期の設定、多様な導入方式(例 買い取り・リースなど)の経費比較、徹底した事業費の精査について積極的に検討し、多様な観点からの論議と、勇気ある決断を集積した編成としてください。
本町の財政状況や一般財源枠、財政基本計画などについては、今後できるだけわかりやすく公表していく考えですが、職員全体が全庁的視野にたって、財源と実施事業経費のバランスを考えた予算編成への参加意識を持たれるよう各自の努力をお願いいたします。
(4)特別会計・事業会計の自立性・健全性の確立
昨年6月に成立した「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、平成20年度決算分から、特別会計、事業会計、第3セクターの決算状況も含めた連結決算の考え方に基づいた財政指標を導入し、基準となる比率を超えた地方公共団体には、財政健全化や再生のための計画策定とその実行が求められることになります。
したがって特別会計・事業会計の事業については、これまで以上に、健全経営のための事務事業の見直し・効率化を図らなければなりません。
また、独立採算の原則から、受益者負担の適正化を図るなど、その財源を漫然と一般会計に依存することなく、一般会計からの繰出金にあっては可能な限り抑制するよう努めることとします。
(5)予算編成方法の基本的な考え方
平成21年度の予算編成方法については、本日付「平成21年度予算要求書等の提出について」の内容および、予算要求後の段階において職員各位に詳細を周知しますが、基本的な考え方として、本年4月の機構改革で部長制度を廃止したことから、部単位での「枠配分」ならびに「予算調整」はなくしたものであります。
したがって、「事業単位の一件審査」方式での予算審査としますが、前述した厳しい財政状況であることから、政策的経費、経常経費の区別なく、真に必要な経費のみを予算化する考えであります。
職員各位におかれては、町財政全体の状況を把握し、事業費精査を十分行った予算要求に努めてください。